スワガット (3) ~野菜マンチュリアンをめぐって~

スワガット(2)の続き。

早稲田通り、西友の向かいあたりのインド料理店、「スワガット」で、なんとかインド式中華料理にありつこうと、8月のある日、再訪。

例の、ハッカ・ヌドルと、野菜・マンチュリアン。

結局、メニューには掲載されていない。

うーむ。

でも、頼んでみた。

例の、あせり気味の、お店の男性。またまた焦っていたが、今日はできる、という。

出てきた料理。

ハッカ・ヌドルは、まあ、スパイシーな焼きそばだった。

「ハッカ」は「客家」だろうけど、この件はちょっと置いておいて、今回はこっちについて考えてみたい。

野菜・マンチュリアン。

実は、事前にすこし調べてみたのだ。

ゴビ・マンチュリアン。

と、呼ばれる料理が存在する。

南インド式中華料理として、わりと一般的なようだ。

「ゴビ」は、じゃがいもとカリフラワーのカレー「アルゴビ」の「ゴビ」で、カリフラワーのことである。

ゴビ・マンチュリアンは、カリフラワーに衣をつけて揚げ、トマトやチリのソースでからめた料理だそうだ。

かの、カレー伝導師、渡辺玲さんが、東京のインド料理店で食べたゴビ・マンチュリアンを紹介しているから、間違いない。

(※渡辺さんは「ゴービー・マンチュリアン」、と表記)

ふむふむ。

こういう料理なのか。

ゴビ~、ではなく、野菜~、だから、具はカリフラワーに限らず、じゃがいもや、にんじんなんかも混ざるのかな?

そんな風に、予想していた。

しかし。

意外にも。

出てきたのは、写真のような料理。

このブログ、料理の写真はアップしない。などとカッコつけたことを言っておりましたが、今回ばかりは説明のため、あげさせていただきます。

とろみのある醤油味スープに、たこ焼きが浮いている。

そんな、料理だった。

たこ焼き内部には、野菜のみじん切りが具として入っている。

美味しかった。

しかし、これは…。

インドに詳しそうな人の、こんな記述もある。

引用させていただきます。

マンチュリアンは、今回よくお目にかかりました。キャベツ、カリフラワーなどの野菜の細切れを、豆の粉(ベイスン粉)で団子状にまとめて、揚げたもの。野菜でできた肉団子風の料理で、しょう油味が多かったです。

あ、これ、そのものじゃないですか。

こういうのも、マンチュリアン、なのかもしれない。

でも、そもそも、マンチュリアン=満州風、ってなんだ?

満州と呼ばれていた、中国東北部の料理にルーツがある、とか考えるのは、ちょっと違うような気もする。

天津丼が天津に存在しないように、スパゲティ・ナポリタンがナポリに存在しないように、マンチュリアンも満州には存在しなかった。かも。

調べないと、正確なところはわからないけれど。

インド人がイメージする、なんとなくチャイナ。

それが、マンチュリアン。

そんな感じ?

でも、なぜ満州?

まだ読んでいないが、こんな本が、参考になるかもしれない。

時は、インド独立以前にさかのぼる。

インド独立運動家であり、日本のインド料理にも大きな影響を与えたという「中村屋のボース」こと、R・B・ボース。

同じく独立運動家で、銀座に「ナイルレストラン」を開いたA・M・ナイル(あのナイルさんの、お父さん)。

彼らは、インド独立を目指すにあたり、イギリスに対し、日本と「皮肉な」共闘関係にあったという。食文化において、ボースやナイルのような当時のインド人にとって、大日本帝国が経営する満州が、身近な中国であった可能性はあるかもしれない。A・M・ナイルは奥さんと満州に渡り、かの地に暮らすインド人と交流もしたという。

うんうんうん。

アジアの歴史と食文化の根幹にかかわるであろう大テーマについて、遠い目で思いを馳せつつ、ひとりで悦に入りながら1本250円の激安コロナビールをおかわりしているうち、ずいぶんと酔っぱらってきた。

焦り気味の店員さんが、やってきた。

もっと早く来てよ、金曜日、時間早い、ダンスある、ベリーダンス8時から、早く来ればダンス見られる、ベリーダンスね、金曜日もっと早く来る。

あ。金曜日はベリーダンスの日だった。

時間が遅かったので、もう美人ダンサーは帰ったあとだった。

残念。

みなさん、スワガットのベリーダンスナイトを盛り上げましょう!

a0130529_214021.jpg
[PR]
by aroyaroy | 2009-09-07 02:06 | 高田馬場


<< ロブリーキッチン LOPBUR... 傘亭 (2) >>